〈海道の果て〉 Phantasmal Overture vol.9
読み:かいどうのはて
初演:2019年 柴崎利文作品集(委嘱)
編成:1stマンドリン/2ndマンドリン/マンドラ/マンドチェロ/1stギター/2ndギター/コントラバス/フルート
演奏時間:約13分
【曲目解説】
このHPに灯台めぐりのコーナーを作っている通り、私は10年ほど前から全国各地の灯台を巡ることを趣味にしています。Phantasmal Overtureの第9作は、愛車を走らせ灯台を目指す旅路をテーマとして作曲しました。
曲構成は、主題Ⅰ提示(急)→主題Ⅱ提示(緩)→主題Ⅰ変奏(緩)→主題Ⅰ再現(急)→主題Ⅰ+Ⅱ変奏(緩)となっています。風車の立ち並ぶ海岸線を抜け、途中雨宿りの一泊を経て晴れ上がった朝、広大な青い海と真っ白な灯台のパノラマの地に辿り着くというストーリー仕立ての情景描写を狙いました。
冒頭部では、車のエンジン音をイメージさせるマンドチェロのグリッサンドが登場します。また、委嘱を受ける際のご希望で、中間部に長めのギター四重奏パートソロがあります。
同シリーズの他作品とは趣向が異なるリズミカルなメロディ・伴奏を多用した曲です。私が灯台へ向かうさなかのわくわくした気持ちが表現できているかと思います。